その指を
ちらり
ちらり
これが初恋？と思ったのは小学校６年の時だった。
おとなしかったワタシは少ししか話した事がなかったけど。
その長くて形のいい指を
みんなに気づかれないように
ちらりと流し見て。
色は白い。
運動できる人なのに色の白い手。
手の甲が傷一つなく、つるりとしてた。
そこから伸びる指は乱れた線でなく
どの仕草をしても整った形をしてた。
爪の存在を感じさせない。
綺麗な手指だった。
去年の同窓会には来てなくて
ただ幻想化された手指の思い出。
ワタシの旦那さんの指も長い。
色は黒い。
地黒と日に焼けて。
形は初恋の人に負けるけど、
温かい、。
それに旦那さんの、声が好き。
たくさんおしゃべりして、
ほんとに楽しく笑う声。
ちょっとハスキーな感じで、
低くない。
たぶん話してくれる内容も好き。
納得。
って思う。
いつも聞いていたいし
心地いい声で時間を過ごしたい。
早くお仕事から帰ってこないかなぁ。
